「二頭出しは人気薄を狙え」という格言は、同一厩舎が二頭出走させているときは人気薄の方が買いである、ということを示しています。
この格言の解釈を巡っては、いろんな考えが提示されているようですが、実際に人気薄が買いなのか、データで確認してみます。
私は初心者の頃に、10社ほど無料予想を出している予想サイトに登録して、買い目の組み方を研究していました。
(データ競馬では、予想だけでなく買い方もルール化しないと結果が安定しません)
その中でダントツに結果を出していたのがターフビジョンです。
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無料とはいえ、人気サイドに偏った3連複などでは決してなく、他社と比べても、本気で予想を出している印象があります。
例えば、下記のレースを見てください。
1頭目は1番人気の⑦キングズソードを抑え、4人気の⑪ナムアミダブツを2頭目に、9人気の②ナムラゴロフキンを3頭目に据え、的中(82.0倍的中)。
■ 2022/12/17(土)阪神9R 赤穂特別
ターフビジョンはこのように3連複フォーメーションの2頭目・3頭目の絞り方が上手です。
このまま参考にしても良いですし、私はターフビジョンで3頭目に選択されている穴馬に注目した買い方をしています。
無料情報というと人気上位を適当に並べただけというものも多い中、的中確率が悪くなる覚悟でこうした人気薄馬を組み入れる予想を出すところは参考にできますよ。
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ALL|同一厩舎内人気順位別の勝率・回収率
はじめに、2013-2017の障害戦・新馬戦以外の全データをまとめたものをお示しします。
まず、各々のレースにおいて、同一厩舎から1頭だけを出走させている場合、その出走馬を除外します。
その上で、各レース内で各厩舎の出走馬を確定人気順に順位付けをして、集計したものが下の表です。
ALL|同一厩舎内人気順位別の成績・回収率(2013-2017) ※障害戦・新馬戦除く
同一厩舎内順位 | 勝率 | 単勝回収率 | 出走件数 |
1 | 8.9 | 80 | 6,976 |
2 | 1.9 | 76 | 6,976 |
3 | 0.0 | 0 | 177 |
4 | 0.0 | 0 | 9 |
5 | 0.0 | 0 | 1 |
多頭出しといっても、ほとんどのケースは二頭出しですから、実質、同一厩舎内人気順位は1位と2位でほとんどを占めています。三頭出し以上の3位以下は一度も勝ってないのは、件数が少ないとは言え、興味深いところです。
全レースの出走数が約22万件ありますので、割合としては6%~7%の出走馬が、多頭出しに該当します。
参考までに、重賞レースでは意図した多頭出しというより、結果的にそうなっているものもあるでしょうから、条件戦における多頭出しとは、また意味が違ってきますよね。
この分析でも重賞レースを除外した方が良いか、とも考えたのですが、結果はあまり変わりませんでした。重賞レース自体の数が少ないので、全体に影響を与えるほどのインパクトはなかったです。
話を元に戻し、改めて上の表を見ますと、同一厩舎順位1位と2位の平均回収率が78%ですから、多頭出し出走馬を選んだ時点で、すでに馬券的には損する方向に向いていることになります。
また、平均的に見た場合ですが、格言のいうところの「人気薄の方が優位」と言うことは全くないですね。勝率も回収率も人気薄の方が低いです。平均で見れば勝率が低いのは当然ではありますが。
人気と、同一厩舎内人気がごちゃごちゃになりますので、ここから先は、
- 人気順:レース内の全出走馬の人気順
- 人気馬:同一厩舎二頭出しの人気上位(厩舎内1位)の馬
- 人気薄馬:同一厩舎二頭出しの人気下位(厩舎内2位)の馬
として、話を進めます。
芝|同一厩舎内人気順位別の成績・回収率
いつものように芝とダートに分けて考えます。こちらは芝レースに限定した多頭出し順位別のデータです。
芝|同一厩舎内人気順位別の成績・回収率(2013-2017) ※障害戦・新馬戦除く
同一厩舎内順位 | 勝率 | 単勝回収率 | 出走件数 |
1 | 8.6 | 76 | 3,663 |
2 | 2.4 | 88 | 3,663 |
3 | 0.0 | 0.0 | 124 |
4 | 0.0 | 0.0 | 7 |
5 | 0.0 | 0.0 | 1 |
いきなりですが、二頭出しの人気薄の回収率が88%となりました。ただし、勝率が2.4%とかなり低いですので、これを狙っていくのは厳しいのではないかと思います。
続いて、年次の状況をみてみましょう。
芝|二頭出しの同一厩舎内1位の成績・回収率(2013-2017) ※障害戦・新馬戦、多頭出し除く
2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 5年平均 | |
勝率 | 7.6 | 10.0 | 8.9 | 8.9 | 7.4 | 8.6 |
単勝回収率 | 69 | 88 | 76 | 79 | 66 | 76 |
芝|二頭出しの同一厩舎内2位の成績・回収率(2013-2017) ※障害戦・新馬戦、多頭出し除く
2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 5年平均 | |
勝率 | 1.6 | 2.3 | 2.3 | 2.3 | 2.9 | 2.4 |
単勝回収率 | 68 | 75 | 85 | 108 | 105 | 88 |
2位の方は、2015年以降は回収率が高く安定していますが、2013年はかなり悪い。5年平均は良いのですが変動が大きく、勝率が低いことも合わせると、この因子を積極的に使っていくシーンはなさそうに思います。
さて、最初に芝とダートを分けずに見たとき、人気薄の回収率は人気馬の回収率より低かったことを思い出してください。芝レースでは人気薄回収率がこのように良いということは、ダートレースでは…。
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ダート|同一厩舎内人気順位別の成績・回収率
ダートは、人気馬の方が回収率が高い傾向になっています。もちろん勝率は人気馬の方が高いです。人気薄は悲惨ですね。回収率が60%で勝率が1.4%です。
ダート|同一厩舎内人気順位別の成績・回収率(2013-2017) ※障害戦・新馬戦、多頭出し除く
同一厩舎内順位 | 勝率 | 単勝回収率 | 件数 |
1 | 9.2 | 85 | 3,313 |
2 | 1.4 | 60 | 3,313 |
3 | 0.0 | 0.0 | 53 |
4 | 0.0 | 0.0 | 2 |
年次で見ますと、2013年は惜しいですが、人気馬の回収率はかなり高い水準で推移しています。芝とダートで全く逆になるというのは興味深いですが、私のつたない競馬知識では、その理由についてはちょっと想像がつかないです。
ダート|二頭出しの同一厩舎内1位の成績・回収率(2013-2017) ※障害戦・新馬戦、多頭出し除く
2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 5年平均 | |
勝率 | 7.9 | 9.7 | 9.5 | 10.3 | 8.5 | 9.2 |
単勝回収率 | 73 | 87 | 86 | 92 | 83 | 85 |
ダート|二頭出しの同一厩舎内2位の成績・回収率(2013-2017) ※障害戦・新馬戦、多頭出し除く
2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 5年平均 | |
勝率 | 1.0 | 1.8 | 1.5 | 1.1 | 1.6 | 1.4 |
単勝回収率 | 73 | 87 | 86 | 92 | 83 | 85 |
人気別|同一厩舎内順位別の勝率・回収率
この先はかなり細かい話になりますので、あくまでも参考ですが、格言との関係で、いろいろ興味深いことが言えそうです。
芝レース
まず芝のデータです。少し表が大きいですが、縦方向が全出走馬の人気順別で、横方向左側が人気馬、右側が人気薄馬となります。
芝|人気別同一厩舎内人気1位・2位の成績・回収率(2013-2017) ※障害戦・新馬戦、多頭出し除く
人気 | 同一厩舎内人気1位(上位) | 同一厩舎内人気2位(下位) | ||||
勝率 | 単勝回収率 | 出走件数 | 勝率 | 単勝回収率 | 出走件数 | |
1 | 26.8 | 73 | 392 | 0.0 | 0 | 0 |
2 | 18.7 | 85 | 369 | 10.5 | 48 | 19 |
3 | 9.3 | 59 | 323 | 21.9 | 134 | 64 |
4 | 8.2 | 69 | 341 | 12.2 | 100 | 90 |
5 | 7.7 | 86 | 326 | 5.8 | 67 | 120 |
6 | 6.1 | 90 | 311 | 3.4 | 53 | 149 |
7 | 4.3 | 85 | 281 | 4.1 | 77 | 196 |
8 | 4.9 | 119 | 263 | 5.2 | 125 | 252 |
9 | 2.1 | 68 | 233 | 1.9 | 58 | 267 |
10 | 0.9 | 37 | 211 | 1.9 | 88 | 311 |
11 | 1.6 | 82 | 186 | 1.3 | 65 | 315 |
12 | 1.5 | 92 | 134 | 1.0 | 54 | 315 |
13 | 0.8 | 75 | 121 | 0.9 | 71 | 336 |
14 | 0.0 | 0 | 82 | 0.9 | 211 | 321 |
15 | 0.0 | 0 | 45 | 0.9 | 156 | 338 |
16 | 0.0 | 0 | 32 | 0.0 | 0 | 281 |
17 | 0.0 | 0 | 13 | 0.6 | 186 | 155 |
18 | 0.0 | 0 | 0 | 0.0 | 0 | 134 |
人気馬の人気順1位の勝率は26.8%なんですが、全出走馬でみると平均的にはここは31%〜32%になるはずで、少し低いです。3位も同様です。二頭出し人気馬側は、思った程には走らないので回収率が低いですし、そのような実態から人気薄を狙え、となっているのかもしれません。
あるいは、人気薄を見てみますと、人気順の3位4位ですと、勝率は平均よりも高いですから、そのあたりのインパクトもあって、同一厩舎の人気薄に注目するようになったのかもしれません。
芝レースでは、人気馬の平均人気が6.3位、人気薄馬の平均人気が11.4位でした。
ダートレース
表だらけになってしまいますが、ダートも一応見ておきましょう。
ダート|人気別同一厩舎内人気1位・2位の成績・回収率(2013-2017) ※障害戦・新馬戦、多頭出し除く
人気 | 同一厩舎内人気1位(上位) | 同一厩舎内人気2位(下位) | ||||
勝率 | 単勝回収率 | 出走件数 | 勝率 | 単勝回収率 | 出走件数 | |
1 | 31.1 | 80 | 286 | 0.0 | 0 | 0 |
2 | 21.2 | 94 | 335 | 0.0 | 0 | 10 |
3 | 13.2 | 84 | 333 | 2.9 | 19 | 34 |
4 | 9.6 | 82 | 312 | 9.3 | 83 | 54 |
5 | 5.2 | 59 | 290 | 8.2 | 92 | 85 |
6 | 7.7 | 115 | 260 | 4.5 | 66 | 112 |
7 | 3.9 | 82 | 279 | 3.1 | 62 | 162 |
8 | 4.2 | 107 | 260 | 3.0 | 84 | 200 |
9 | 1.7 | 59 | 241 | 2.3 | 78 | 265 |
10 | 2.4 | 109 | 206 | 0.8 | 37 | 256 |
11 | 0.6 | 59 | 170 | 0.6 | 35 | 320 |
12 | 2.4 | 177 | 123 | 0.6 | 49 | 329 |
13 | 1.1 | 111 | 93 | 0.5 | 53 | 370 |
14 | 0.0 | 0 | 72 | 0.3 | 56 | 389 |
15 | 0.0 | 0 | 53 | 0.5 | 101 | 368 |
16 | 0.0 | 0 | 0 | 0.0 | 0 | 359 |
人気馬の上位は、平均的な勝率ですが、回収率が高いですね。単純な人気順で回収率を計算すると上位は80%を切ることが多いですので、これは有意義なデータと言えそうです。
ただ、二頭出しをする厩舎が限られるのであれば、このあたりは二頭出しというよりは、厩舎自体が回収率ファクターとして機能している可能性もあります。このあたりの分析は、また機会を改めたいと思います。
ダートは人気馬に注目してしまいますが、人気薄も人気順上位であれば、そこそこの好走ぶりを感じさせるデータです。ただ、人気4位5位あたりは、5年間で2桁件数しかないですからね…。あくまでも参考と言うことで。
ダートレースでは、人気馬の平均人気は6.3位、人気薄馬の平均人気は11.5位でした。
まとめ
件数が少ないのであてにはならない、とは言いつつも、二頭出しの人気馬と人気薄馬が上位で拮抗している場合は、人気薄が狙い目と言えなくもないでしょうかね。
こうした状況に加え、たまたま同一厩舎の人気薄が好走した事例が目立ったのと、わざわざ二頭出しをする意味は何なのかという解釈を巡っていろんな勘繰りがされやすいことで、同一厩舎のは人気薄を狙え、という格言が生まれたのではないかと思いました。
一般化は全くできないし、むしろ狙うのだったらダートの人気馬ということになります。
パンダズ競馬とは
パンダズ競馬では
- 過小評価条件
- 三連複フォーメーション
を回収率向上の具体的な手段としてとらえ、競馬ファンの方にさまざまなデータを紹介しています。
この2つを実践するだけで「予想能力がそのままでも回収率が上昇する」というのがパンダズ競馬の一貫した主張です。
この2つの手段について、参考記事をまとめて紹介いたしますので、よかったら合わせてご覧ください。
過小評価条件
まずは過小評価条件を検討し、過小評価馬を見出すのが第一歩です。
パンダズ競馬では、さまざまなデータベースで過小評価条件を紹介しています。
調教師や馬主のデータベースもありますが、重要なのは次の3点セットでしょう。
すべて同じフォーマットにデータを落とし込んでいるので、見やすいと思います。毎週データ更新していますので、参考にしてみてください。
もう一つ、ご自身で条件抽出できる方法も提供しています。こちらのほうがオリジナルの条件を何でも作れますので、そういうのがお好きな方は是非一度試してみてください。
三連複フォーメーション
過小評価に注目する場合は、券種の選定が重要であることも繰り返し述べています。
なぜ、過小評価条件と三連複がセットなのかについて解説した記事です。
こちらは、三連複フォーメーションの具体的な買い方を説明した記事です。
パンダズ競馬で三連複を推奨する理由が、期待回収率という考え方を通してご理解いただけると思います。
過小評価条件に注目する以上、三連複での購入はぜひチャレンジしてほしいですが、三連複に慣れていない方は、まずは予想サイトの無料予想を参考にするのをお勧めします。
三連複で実績があり、私が参考にしているのは次の2サイトです。ターフビジョンは三連複フォーメーションなので、当サイトでお勧めする方法に一番近いものです。人気薄の組み入れ方に注目してみてください。
いまの皆さんの予想方法はそのままでよいのです。そこに過小評価条件や券種というフィルターを新たに加えてみてください。
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