回収率を重視したオリジナル指数を作成する場合、コースによって人気馬が勝ちやすい(あるいは勝ちにくい)という傾向がもしあるならば、勝負するコース自体を選定することも重要と考えます。
つまり、人気サイドだと妙味が薄いので、あらかじめ荒れにくいコースを避けられれば、それだけで平均的な回収率は上昇するのではないか、ということです。
このような観点から、コースごとの荒れやすさの傾向をまとめていました。
私は初心者の頃に、10社ほど無料予想を出している予想サイトに登録して、買い目の組み方を研究していました。
(データ競馬では、予想だけでなく買い方もルール化しないと結果が安定しません)
その中でダントツに結果を出していたのがターフビジョンさんでした。
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無料とはいえ、人気サイドに偏った3連複などでは決してなく、他社と比べても、結構本気で予想を出している印象があります。
例えば、下記のレースを見てください。
15点購入とはいえ、7人気の⑧ハギノベルエキプと11人気の④ベルファーリングを逃さず、見事的中させました(198.0倍的中)。
■ 2019/6/2(日)阪神7R 3歳未勝利

こんな本気の予想を無料で出すのか、と思いましたが、宣伝の意味もあるからかえって下手は打てないのでしょう。
2レースのみの提供に限定しているというだけで、的中精度は有料のものと変わらないと感じました。
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方法
ベタ買いの単回収率(ベタ単回)を利用します。ベタ単回を利用する理由について少し触れておきます。
3頭立てレースで、1人気、2人気、3人気の投票数がそれぞれ300、200、100だったとします。
総投票が600になりますから、控除率(20%)を考慮した返還金合計が480となり、
単勝オッズは、
- 1人気 480/300=1.6倍
- 2人気 480/200=2.4倍
- 3人気 480/100=4.8倍
となります。
ベタ買いをするということは1票ずつ購入するのと同じなので、それぞれの馬が勝利した時の回収率は、
- 1人気 160/3票=53.3%
- 2人気 240/3票=80.0%
- 3人気 480/3票=160.0%
となります。
簡単な例ですが、ベタ買いだと人気サイドは回収率が悪く、穴馬がくれば回収率が高くなることが分かります。
つまり、ベタ買いの回収率はコースの荒れやすさを表す指標と考えることが出来ます。
それでは、具体的に見ていきましょう。
データは2015年-2019年のものになります。
表中のレース数は5年間の実施数になりますので、ご注意ください。
競馬場別の荒れやすさ
芝コース
競馬場 | レース数 | ベタ単回 |
札幌 | 420 | 69 |
函館 | 421 | 70 |
福島 | 615 | 76 |
新潟 | 783 | 71 |
東京 | 1,296 | 63 |
中山 | 1,045 | 67 |
中京 | 666 | 68 |
京都 | 1,249 | 71 |
阪神 | 1,128 | 76 |
小倉 | 745 | 74 |
芝コースでは、札幌・東京・中山・中京は堅めです。福島・阪神は比較的荒れやすいといえるでしょう。
福島は以前はベタ単回が80%を超えていて特に荒れやすい競馬場だったのですが、直近は傾向が和らいでいます。
ダートコース
競馬場 | レース数 | ベタ単回 |
札幌 | 301 | 79 |
函館 | 303 | 80 |
福島 | 480 | 75 |
新潟 | 627 | 68 |
東京 | 1,359 | 70 |
中山 | 1,361 | 72 |
中京 | 752 | 81 |
京都 | 1,386 | 81 |
阪神 | 1,301 | 77 |
小倉 | 418 | 76 |
続いてダートコースです。新潟が荒れにくく、函館・中京・京都が荒れやすいと言えます。
年単位で見ていくと、主要競馬場以外は結構数字が変わってしまうところもあるのですが、レース数の多い東京・中山・京都・阪神は数字が比較的安定しています。
興味深いことに、
- 東京・中山
- 京都・阪神
で分けて見た場合、芝・ダートともに、前者は荒れにくく、後者は荒れやすいという特徴があります。
東京の2競馬場が堅い傾向は、覚えておいても良さそうです。
距離別の荒れやすさ
芝コース
競馬場 | レース数 | ベタ単回 |
1000 | 137 | 75 |
1200 | 1577 | 73 |
1400 | 922 | 68 |
1500 | 91 | 68 |
1600 | 1496 | 68 |
1800 | 1582 | 68 |
2000 | 1622 | 69 |
2200 | 327 | 77 |
2400 | 338 | 71 |
2500 | 61 | 70 |
2600 | 169 | 84 |
5年間のレースが50に満たない距離は除きました。
長距離の方が荒れにくい、という印象が何となくあるかもしれませんが、データを見る限りははっきりとした傾向は見えません。
ダートコース
競馬場 | レース数 | ベタ単回 |
1000 | 323 | 79 |
1150 | 176 | 77 |
1200 | 1729 | 71 |
1300 | 148 | 66 |
1400 | 1459 | 70 |
1600 | 546 | 73 |
1700 | 962 | 76 |
1800 | 2383 | 80 |
1900 | 190 | 91 |
2000 | 83 | 119 |
2100 | 187 | 77 |
2400 | 89 | 77 |
こちらも5年間のレース数50以下の距離を除いています。
ダートコースも、距離に比例して荒れやすい・荒れにくいと言う傾向は見えないですね。
コース別の荒れやすさ
荒れやすいコース
コースごとに見てみます。ベタ単回の高い順に上位10コースまでです。
5年間のレース数が50未満は除いています。
コース名 | レース数 | ベタ単回 |
阪神 ダ 2000m | 83 | 119 |
福島 芝 2600m | 55 | 115 |
京都 ダ 1900m | 105 | 101 |
阪神 芝 2400m | 83 | 96 |
中京 芝 2200m | 80 | 95 |
阪神 芝 1600m | 250 | 93 |
新潟 芝 2200m | 46 | 93 |
札幌 ダ 1000m | 86 | 90 |
京都 ダ 1800m | 558 | 88 |
京都 芝 2200m | 77 | 87 |
やはり、特に短距離が多いということはないですよね。
阪神ダート2000m、福島芝2600m、京都ダート1900mの3コースは、全出走馬をベタ買いすればそれだけで回収率が100を超える事を表しています。
オリジナル指数を作る場合は、ここからさらに出走馬を選択するのですから、回収率はかなり有利になるのでは、と思います。
荒れにくいコース
ベタ単回の低い順に下位10コースまでです。
コース名 | レース数 | ベタ単回 |
中山 芝 2200m | 77 | 46 |
札幌 芝 2000m | 88 | 54 |
新潟 芝 1800m | 138 | 55 |
東京 芝 2400m | 141 | 56 |
中京 芝 1400m | 154 | 57 |
東京 芝 1600m | 353 | 58 |
京都 芝 1600m内 | 170 | 58 |
新潟 芝 2000m | 70 | 60 |
新潟 ダ 1200m | 297 | 61 |
中京 芝 1600m | 156 | 62 |
パット見、長距離の方が多い印象はありますが、中京芝1400mや新潟ダート1200mなどもあります。
ベタ単回が60を切っている、中山芝2200m、札幌芝2000m、新潟芝1800m、東京芝2400m、中京芝1400m、東京芝1600m、京都芝1600m内などは、はじめから買わない!としても良いのかもしれません。
さて、実はレース数が少ないので除いてしまったのですが、荒れにくいレースの典型が超長距離の次の3つでした。
- 3200m 天皇賞・春
- 3400m ダイヤモンドS
- 3600m ステイヤーズS
ベタ買いの回収率はそれぞれ25%、24%、34%で非常に悪いです。
この距離はそれぞれ1年に1レースしかないのでたまたまの結果かもしれませんが、少なくともこの5年間、ほとんど人気馬で決まっています。
長距離が堅いというイメージはこのあたりからきているのではないでしょうか?
まとめ
以上、レースの荒れやすさをベタ買いの単勝回収率をベースに見てきました。
この見方は勝利馬しか見てませんので、2着に大穴がきた、などの傾向は全く捉えられていないところが課題です。
例えば2017年の天皇賞(春)では13番人気のカレンミロティックが2着になったわけですが、これを荒れたレースと考えるならば、今回のベタ単回では全く反映されませんよね。
このあたりの話を踏まえ、ベタ買いの複勝回収率(ベタ複回)で見た場合の荒れやすさについても、次に整理したいと思います。
パンダズ競馬とは
パンダズ競馬では
- 過小評価条件
- 三連複フォーメーション
を回収率向上の具体的な手段としてとらえ、競馬ファンの方にさまざまなデータを紹介しています。
この2つを実践するだけで「予想能力がそのままでも回収率が上昇する」というのがパンダズ競馬の一貫した主張です。

この2つの手段について、参考記事をまとめて紹介いたしますので、よかったら合わせてご覧ください。
過小評価条件
まずは過小評価条件を検討し、過小評価馬を見出すのが第一歩です。
パンダズ競馬では、さまざまなデータベースで過小評価条件を紹介しています。
調教師や馬主のデータベースもありますが、重要なのは次の3点セットでしょう。
すべて同じフォーマットにデータを落とし込んでいるので、見やすいと思います。毎週データ更新していますので、参考にしてみてください。
もう一つ、ご自身で条件抽出できる方法も提供しています。こちらのほうがオリジナルの条件を何でも作れますので、そういうのがお好きな方は是非一度試してみてください。

三連複フォーメーション
過小評価に注目する場合は、券種の選定が重要であることも繰り返し述べています。
なぜ、過小評価条件と三連複がセットなのかについて解説した記事です。
こちらは、三連複フォーメーションの具体的な買い方を説明した記事です。
パンダズ競馬で三連複を推奨する理由が、期待回収率という考え方を通してご理解いただけると思います。
過小評価条件に注目する以上、三連複での購入はぜひチャレンジしてほしいですが、三連複に慣れていない方は、まずは予想サイトの無料予想を参考にするのをお勧めします。
三連複で実績があり、私が参考にしているのは次の3サイトです。ターフビジョンは三連複フォーメーションなので、当サイトでお勧めする方法に一番近いものです。人気薄の組み入れ方に注目してみてください。
参考
ターフビジョン(三連複フォーメーション)
参考
血統ウィナーズ(三連複軸1頭流し)
参考
UMAチャンネル(三連複軸1頭流し)
いまの皆さんの予想方法はそのままでよいのです。そこに過小評価条件や券種というフィルターを新たに加えてみてください。
