過小評価馬の選定というと、あまりコース自体には目が向かないのですが、コースによって人気馬が勝ちやすい(あるいは勝ちにくい)という傾向がもしあるならば、勝負するコース自体を事前に選ぶことは重要です。
つまり、人気サイドだと妙味が薄いので、あらかじめ荒れにくいコースを避けられれば、それだけで平均的な回収率は上昇するのではないか、ということです。
このような観点から、コースごとの荒れやすさの傾向をまとめていました。
最初に結論を書いておきます。
2022年荒れやすいコースランキング!
- 新潟芝2200m
- 京都芝1400m内回り
- 福島芝2600m
- 京都芝2000m
- 函館ダート1000m
2022年荒れにくいコースランキング!
- 中山芝2200m
- 京都芝1600m内回り
- 新潟芝2000m外回り
- 札幌芝2600m
- 新潟芝1600m
私は初心者の頃に、10社ほど無料予想を出している予想サイトに登録して、買い目の組み方を研究していました。
(データ競馬では、予想だけでなく買い方もルール化しないと結果が安定しません)
その中でダントツに結果を出していたのがターフビジョンさんでした。
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無料とはいえ、人気サイドに偏った3連複などでは決してなく、他社と比べても、結構本気で予想を出している印象があります。
例えば、下記のレースを見てください。
15点購入とはいえ、7人気の⑧ハギノベルエキプと11人気の④ベルファーリングを逃さず、見事的中させました(198.0倍的中)。
■ 6/2(日)阪神7R 3歳未勝利
こんな本気の予想を無料で出すのか、と思いましたが、宣伝の意味もあるからかえって下手は打てないのでしょう。
2レースのみの提供に限定しているというだけで、的中精度は有料のものと変わらないと感じました。
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方法
ベタ買いの単回収率(ベタ単回)を利用します。ベタ単回を利用する理由について少し触れておきます。
3頭立てレースで、1人気、2人気、3人気の投票数がそれぞれ300、200、100だったとします。
総投票が600になりますから、控除率(20%)を考慮した返還金合計が480となり、
単勝オッズは、
- 1人気 480/300=1.6倍
- 2人気 480/200=2.4倍
- 3人気 480/100=4.8倍
となります。
ベタ買いをするということは1票ずつ購入するのと同じなので、それぞれの馬が勝利した時の回収率は、
- 1人気 160/3票=53.3%
- 2人気 240/3票=80.0%
- 3人気 480/3票=160.0%
となります。
簡単な例ですが、ベタ買いだと人気サイドは回収率が悪く、穴馬がくれば回収率が高くなることが分かります。
つまり、ベタ買いの回収率はコースの荒れやすさを表す指標と考えることが出来ます。
それでは、具体的に見ていきます。
データは2017年1月-2021年12月のものを使用しています。
表中のレース数は5年間の実施数になりますので、ご注意ください。
107のコースそれぞれを見る前に、まずは競馬場別や距離別の傾向から。
競馬場別の荒れやすさ
芝コース
競馬場 | レース数 | ベタ単回 |
札幌 | 455 | 72 |
函館 | 423 | 72 |
福島 | 563 | 73 |
新潟 | 842 | 70 |
東京 | 1,292 | 72 |
中山 | 1,055 | 68 |
中京 | 742 | 69 |
京都 | 945 | 79 |
阪神 | 1,214 | 73 |
小倉 | 798 | 78 |
芝コースでは、京都・小倉が比較的荒れやすく、逆に荒れにくいのは中山・中京ですが、京都・小倉以外はドングリの背比べといった状態です。
かつてはもう少し差があったのですが、数字だけ追うと、年々平均的には荒れにくい方向に向かっています。
福島は以前はベタ単回が80%を超えていて特に荒れやすい競馬場だったのですが、直近はそのような傾向はなくなってしまいました。
ダートコース
競馬場 | レース数 | ベタ単回 |
札幌 | 316 | 76 |
函館 | 299 | 85 |
福島 | 443 | 82 |
新潟 | 715 | 68 |
東京 | 1,344 | 70 |
中山 | 1,371 | 74 |
中京 | 916 | 79 |
京都 | 1,040 | 77 |
阪神 | 1,438 | 71 |
小倉 | 463 | 71 |
続いてダートコースです。芝に比べると競馬場ごとの傾向が出ていますね。
新潟・東京が荒れにくく、函館・福島が比較的荒れやすいと言えます。
年単位で見ていくと、主要競馬場以外は結構数字が変わってしまうところもあるのですが、レース数の多い東京・中山・京都・阪神は数字が比較的安定しています。
あくまでも数字上で判断して、ということですが、主要4競馬場の東西格差が意外と如実です。
つまり、
- 東京競馬場、中山競馬場
- 京都競馬場、阪神競馬場
で分けて見た場合、芝・ダートともに、前者は荒れにくく、後者は荒れやすいという特徴があります。
東京の2競馬場が堅い傾向は、覚えておいて良いと思いますよ。
注)ここ3年程、阪神競馬場のベタ単回が低下傾向にあり、荒れにくくなってきています。
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距離別の荒れやすさ
「長距離の方が荒れにくい」ということを聞いたことがあるかもしれません。この真偽をデータで確認してみましょう。
芝コース
距離 | レース数 | ベタ単回 |
1000m | 131 | 72 |
1200m | 1,588 | 75 |
1400m | 876 | 70 |
1500m | 94 | 74 |
1600m | 1,489 | 68 |
1700m | 3 | 29 |
1800m | 1,538 | 70 |
2000m | 1,656 | 75 |
2200m | 335 | 81 |
2300m | 11 | 66 |
2400m | 330 | 71 |
2500m | 62 | 62 |
2600m | 184 | 80 |
3000m | 16 | 65 |
3200m | 6 | 24 |
3400m | 5 | 492 |
3600m | 5 | 61 |
レース数が少ないコースは参考にならないので注意してください。一応すべての距離を掲載しました。
どうでしょうか。データを見る限りははっきりとした傾向は見えませんね。
ダートコース
距離 | レース数 | ベタ単回 |
1000m | 333 | 77 |
1150m | 162 | 84 |
1200m | 1,729 | 67 |
1300m | 136 | 71 |
1400m | 1,421 | 73 |
1600m | 551 | 66 |
1700m | 985 | 77 |
1800m | 2,433 | 76 |
1900m | 201 | 81 |
2000m | 102 | 91 |
2100m | 187 | 92 |
2400m | 89 | 84 |
2500m | 16 | 49 |
ダートコースも、はっきりとした傾向は見れません。しかし、1900m~2100mは単回が高めとなっており、むしろ、長距離の方がやや荒れているようにも見えます。
コース別の荒れやすさ
おまたせしました。それでは、コースごとの荒れやすい・荒れにくいを見ていきます。全部で107コースあります。
荒れやすいコース
まずはベタ単回の高い順に上位10コースまでです(同率があるので11コース)。
5年間のレース数が40以下は除いています。
コース | レース数 | ベタ単回 |
新潟芝2200m | 49 | 121 |
京都芝1400m内 | 48 | 109 |
福島芝2600m | 52 | 109 |
京都芝2000m | 171 | 102 |
函館ダ1000m | 100 | 97 |
東京ダ2100m | 187 | 92 |
阪神ダ2000m | 102 | 91 |
京都芝2200m | 58 | 90 |
中京ダ1400m | 264 | 89 |
中京ダ1900m | 119 | 87 |
新潟芝2000m内 | 55 | 87 |
短距離も中距離も混じっていて、やはり距離との関係性には重きを置かないほうが良いでしょう。
- 新潟芝2200m
- 京都芝1400m内回り
- 福島芝2600m
- 京都芝2000m
の4コースは、全出走馬をベタ買いすればそれだけで回収率が100を超える事を表しています。
荒れにくいコース
こちらも5年間のレース数が40以下は除いています。ベタ単回の低い順に下位10コースまでです(同率があるので12コース)。
コース | レース数 | ベタ単回 |
中山芝2200m | 82 | 51 |
京都芝1600m内 | 125 | 54 |
新潟芝2000m外 | 78 | 55 |
札幌芝2600m | 41 | 56 |
新潟芝1600m | 147 | 57 |
中京ダ1200m | 194 | 58 |
中京芝1400m | 149 | 59 |
札幌芝2000m | 96 | 59 |
阪神芝1400m | 192 | 59 |
福島芝1800m | 139 | 60 |
新潟芝1800m | 152 | 60 |
中京芝1600m | 174 | 60 |
ベタ単回が60を切っているコースなどは、はじめから買わないことを選択しても良いのかもしれません。
実際に、私自身のモデルでは過去5年間のベタ単回が低いコースは、過小評価を見出す方法と相性が悪いので、そもそも購入しないようにしています。
超長距離は確かに荒れにくい
繰り返しになりますが、長距離が荒れにくいということはデータ上からは見えません。ただ、3000mを超える超長距離は確かに荒れにくい傾向です。
例えば、
- 京都芝3200m (単勝回収率21%)
- 阪神芝3200m (単勝回収率29%)
- 阪神芝3000m (単勝回収率46%)
この距離はレース数が少なくて統計的にはあてにはならないのですが、しかし、ほとんどのレースは人気馬で決まっています。
長距離が堅いというイメージはこのあたりからきているのかもしれませんね。
よって、距離と荒れやすさは関係ないといいつつも、超長距離については例外的に考えたほうが良いでしょう。
まとめ
最後に全107コースのすべての単勝回収率を掲載しますが、長いので折りたたんでいます。ご覧になる場合は、クリックしてください。
荒れやすいコースランキング
コース別ベタ買い単勝回収率リスト
以上、レースの荒れやすさをベタ買いの単勝回収率をベースに見てきました。
この見方は勝利馬しか見てませんので、2着に大穴がきた、などの傾向は捉えられていないところが課題です。
例えば2017年の天皇賞(春)では13番人気のカレンミロティックが2着になりました。これを荒れたレースと考えるならば、今回のベタ単回では反映されませんので、注意が必要です。
パンダズ競馬とは
パンダズ競馬では
- 過小評価条件
- 三連複フォーメーション
を回収率向上の具体的な手段としてとらえ、競馬ファンの方にさまざまなデータを紹介しています。
この2つを実践するだけで「予想能力がそのままでも回収率が上昇する」というのがパンダズ競馬の一貫した主張です。
この2つの手段について、参考記事をまとめて紹介いたしますので、よかったら合わせてご覧ください。
過小評価条件
まずは過小評価条件を検討し、過小評価馬を見出すのが第一歩です。
パンダズ競馬では、さまざまなデータベースで過小評価条件を紹介しています。
調教師や馬主のデータベースもありますが、重要なのは次の3点セットでしょう。
すべて同じフォーマットにデータを落とし込んでいるので、見やすいと思います。毎週データ更新していますので、参考にしてみてください。
もう一つ、ご自身で条件抽出できる方法も提供しています。こちらのほうがオリジナルの条件を何でも作れますので、そういうのがお好きな方は是非一度試してみてください。
三連複フォーメーション
過小評価に注目する場合は、券種の選定が重要であることも繰り返し述べています。
なぜ、過小評価条件と三連複がセットなのかについて解説した記事です。
こちらは、三連複フォーメーションの具体的な買い方を説明した記事です。
パンダズ競馬で三連複を推奨する理由が、期待回収率という考え方を通してご理解いただけると思います。
過小評価条件に注目する以上、三連複での購入はぜひチャレンジしてほしいですが、三連複に慣れていない方は、まずは予想サイトの無料予想を参考にするのをお勧めします。
三連複で実績があり、私が参考にしているのは次の2サイトです。ターフビジョンは三連複フォーメーションなので、当サイトでお勧めする方法に一番近いものです。人気薄の組み入れ方に注目してみてください。
いまの皆さんの予想方法はそのままでよいのです。そこに過小評価条件や券種というフィルターを新たに加えてみてください。
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