脚質・ペース

ペースチェンジ指数(PCI)を使った回収率向上の方法

ペースチェンジ指数(PCI)を使った回収率向上の方法

関連データベースはこちらをご覧ください。

データ競馬では様々なファクターを使って、最終的に買い目の根拠とする総合指数を作り上げていくのですが、やはり単純なファクターだと、なかなか過小評価を見出すことができません。

単純なファクターは、他の馬券購入者にもよく観察できるからです。

この観点から、

  • 観察しにくい

つまり、

  • 計算がややこしいファクター

というのは、競走馬の実力が馬券に反映されにくく、有益なファクターとなりやすい側面があります。

その計算がややこしいファクターとして「前走ペースチェンジ指数偏差値」を取り上げます。

ややこしそうですね!


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私は初心者の頃に、10社ほど無料予想を出している予想サイトに登録して、買い目の組み方を研究していました。

(データ競馬では、予想だけでなく買い方もルール化しないと結果が安定しません)

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■ 2022/12/17(土)阪神9R 赤穂特別


 

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ペースチェンジ指数とは

ペースチェンジ指数は、競走馬のレース中のペースの変化を指数化したもので、ターゲットの中で扱われているのでご存じの方も多いでしょう。

PCI(pace change index)と呼ばれているものですね。

上がり3ハロンとそれ以外の部分のタイムを比べ、

  • 50だと前後のタイムが同じ
  • 50以上だと後半のペースが上昇
  • 50以下だと後半のペースが失速

ということを表します。

追込の度合いを表す脚質指数のような感覚です。

あまり深入りする必要もないですが、知りたい方のために計算方法を記載しますと、

(上がり3ハロンを除いた3ハロンあたりのタイム/上がり3ハロンのタイム)×100-50

となります。

例えば、1800mのタイムが118秒、上り3ハロンが38秒でしたら、

上がり3ハロンを除いた3ハロンあたりのタイムは、

(118-38)×600/(1800-600)=40秒ですから、

ペースチェンジ指数は、(40/38)*100-50=55.3となります。

こうして計算過程をみていくと、わざわざ50を引く必要性もないのですが、ターゲットとあえて定義を変えても混乱するので、このサイトでもターゲット同様の指数とします(最終的には偏差値化するので関係なくなりますが)。

ペースチェンジ指数の使い方

ここからが、データ競馬ならではの方法になってきます。

このペース指数は、競走馬の能力を表す指数として使えそうなので、前走ペースチェンジ指数を今走に活かそうと考えます。

ところが、そのまま前走ペースチェンジ指数をつかうと、次の2つの問題が出てきます。

第一に、

ゴール直線に坂があったりなど、コースごとに平均的なペースチェンジ指数は変わってきます

前走ペースチェンジ指数を使うということは、コースがバラバラなので一律に評価することがフェアではありません。

第二に、

例えば、ペースチェンジ指数が良好な競走馬ばかりが出走した場合、どう評価するのか?という問題です。

これは馬体重やスピード指数でも同じ考え方をしますが、本来は特定のレースの中の競走馬間の相対的な力関係が重要なはずです。

これを描写するために少し工夫が必要となります。

データ競馬での解決策は次の通りです。

1つ目の問題に対しては、すべてのデータをコース(全104コース)ごとに分割して、ペースチェンジ指数を標準化します。

2つ目の問題に対しては、標準化されたペースチェンジ指数を前走ペースチェンジ指数として扱い、今走のレースの中で偏差値化します。

一見複雑で、実際に複雑ではありますが、いったんコードを書いてしまえば、毎回何か作業的なことをやる必要はありません。

しかし、計算量は莫大なので、データ競馬でしか実現できない方法です。

それでは、この指標が実際に有効なのかどうかを詳細に見ていきましょう。

※ちなみに、前走ペースチェンジ指数偏差値というファクターが有益だ、となっても、その指数を見れる手段が今のところありません。当サイトでは将来的に、出走表に紐付けてこのあたりのデータ提供ができればと考えております。

 

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前走ペースチェンジ指数偏差値別の成績・回収率データ

はじめに、芝・ダート別に前走ペースチェンジ指数偏差値の成績・回収率を一覧にしましたので、ご覧ください。

※表は着別度数の表示・非表示で切り替えができます。

芝|前走ペースチェンジ指数偏差値別の成績・回収率(2014-2018) ※障害戦除く

着別度数を[非表示]
1着2着3着着外出走勝率連対複勝単回複回main_turf
65以上7526476425,7887,8299.617.926.18383main_turf
60以上1,0439599439,46712,4128.416.123.77779main_turf
55以上1,6721,7321,67515,91820,9978.016.224.27882main_turf
50以上2,0242,0311,98021,10627,1417.514.922.27980main_turf
45以上1,8051,8351,88920,37325,9027.014.121.37881main_turf
40以上1,1381,1501,18914,89018,3676.212.518.97981main_turf
35以上5545876158,67710,4335.310.916.88081main_turf
35未満3774434507,8149,0844.29.014.08486main_turf

ダート|前走ペースチェンジ指数偏差値別の成績・回収率(2014-2018) ※障害戦除く

着別度数を[非表示]
1着2着3着着外出走勝率連対複勝単回複回main_dirt
65以上7356696426,0988,1449.017.225.18987main_dirt
60以上1,1031,0491,06110,21313,4268.216.023.98184main_dirt
55以上1,8451,8191,77617,95723,3977.915.723.37982main_dirt
50以上2,1932,2052,27823,28629,9627.314.722.37681main_dirt
45以上1,8261,9791,93322,40328,1416.513.520.47379main_dirt
40以上1,2931,2641,30916,58920,4556.312.518.98181main_dirt
35以上6596856149,78911,7475.611.416.78683main_dirt
35未満4034214508,80410,0784.08.212.68480main_dirt

けっこういい感じではないでしょうか。

まず、好走率が完全にこの指数と相関しています。

前走での追込の度合いが弱いと、今走でも凡走しやすいということですね。

より重要なのは回収率ですが、トップ層の回収率は良好で、好走ぶりが馬券には反映されていないのが分かります。

特にダートはいいですね。スピード指数よりも良いくらいです。

前走ペースチェンジ指数偏差値別の勝率グラフ

グラフにしてみました。

初めてこの指標を作ったとき、こんなにきれいに相関するとは思っていなかったです。

繰り返しになりますが、コースごとに標準化しなかったり、レースごとに偏差値化しなかったりした場合は、もっとガタガタします

前走ペースチェンジ指数偏差値別の回収率グラフ

続いて回収率のグラフです。

単勝回収率は凹型のグラフで、勝率が高いところと低いところが、回収率が良い傾向になっています。

回収率が低いところに関しては、

  • 思ったよりも好走している

と言えそうですが、勝率自体が低いのでファクター化する必然性はないでしょう。

偏差値65以上が高回収率ファクターです。

芝よりもダートの方がより良好ですね。

念のため、複勝回収率も見ておきます。

単勝とおおむね同様です。

偏差値65以上は、芝・ダートともに高回収率で、ダートの方が良い傾向も同じです。

過小評価ファクターとしての安定性

最後に、偏差値65以上にフォーカスして年ごとの安定性を確認します。

芝|前走ペースチェンジ指数偏差値65以上の成績・回収率(2014-2018) ※障害戦除く

着別度数を[非表示]
1着2着3着着外出走勝率連対複勝単回複回year_turf
201813591927961,11412.120.328.58984year_turf
20171321011168051,15411.420.230.28986year_turf
20169284958811,1528.015.323.56976year_turf
2015111109949621,2768.717.224.67880year_turf
2014121951011,0311,3489.016.023.58983year_turf

芝は5年平均で見た場合は80%を超えていましたが、残念ながら年別に見ると超えていない年もあり、使いにくいファクターです。

ダート|前走ペースチェンジ指数偏差値65以上の成績・回収率(2014-2018) ※障害戦除く

着別度数を[非表示]
1着2着3着着外出走勝率連対複勝単回複回year_dirt
20189394777641,0289.018.225.78991year_dirt
20178685797591,0098.516.924.88489year_dirt
201610389858791,1568.916.624.09184year_dirt
20151161151081,0311,3708.516.924.78485year_dirt
20141421371341,1801,5938.917.525.98589year_dirt

一方のダートは盤石です。単勝回収率・複勝回収率とも84-91%あるというのはかなり優秀なファクターです。

まとめ

当サイトでは、下記のファクターを高回収率に貢献するファクターとしてとらえています。

  • ダートコースの前走ペースチェンジ指数偏差値65以上

データベースに入れましたので、こちらも併せてご参照ください。

パンダズ競馬とは

パンダズ競馬では

  1. 過小評価条件
  2. 三連複フォーメーション

を回収率向上の具体的な手段としてとらえ、競馬ファンの方にさまざまなデータを紹介しています。

この2つを実践するだけで「予想能力がそのままでも回収率が上昇する」というのがパンダズ競馬の一貫した主張です。

「予想はそこそこうまくいくけど、通年で見ると回収率がいまいち」という方は、多分一番効果があると思いますので、是非参考にしてほしいです。以前の管理人がまさにそんな感じでした。

この2つの手段について、参考記事をまとめて紹介いたしますので、よかったら合わせてご覧ください。

過小評価条件

まずは過小評価条件を検討し、過小評価馬を見出すのが第一歩です。

パンダズ競馬では、さまざまなデータベースで過小評価条件を紹介しています。

調教師や馬主のデータベースもありますが、重要なのは次の3点セットでしょう。

すべて同じフォーマットにデータを落とし込んでいるので、見やすいと思います。毎週データ更新していますので、参考にしてみてください。

もう一つ、ご自身で条件抽出できる方法も提供しています。こちらのほうがオリジナルの条件を何でも作れますので、そういうのがお好きな方は是非一度試してみてください。

以上のようなデータベースを参考にしていただき、パンダズ競馬で回収率が向上した、という声をたくさんいただいております。ありがとうございます!

三連複フォーメーション

過小評価に注目する場合は、券種の選定が重要であることも繰り返し述べています。

なぜ、過小評価条件と三連複がセットなのかについて解説した記事です。

こちらは、三連複フォーメーションの具体的な買い方を説明した記事です。

パンダズ競馬で三連複を推奨する理由が、期待回収率という考え方を通してご理解いただけると思います。

過小評価条件に注目する以上、三連複での購入はぜひチャレンジしてほしいですが、三連複に慣れていない方は、まずは予想サイトの無料予想を参考にするのをお勧めします。

三連複で実績があり、私が参考にしているのは次の2サイトです。ターフビジョンは三連複フォーメーションなので、当サイトでお勧めする方法に一番近いものです。人気薄の組み入れ方に注目してみてください。

いまの皆さんの予想方法はそのままでよいのです。そこに過小評価条件や券種というフィルターを新たに加えてみてください

自分の予想を楽しみながら、回収率を向上させていきましょう!

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