関連データベースはこちらをご覧ください。
データ競馬では様々なファクターを使って、最終的に買い目の根拠とする総合指数を作り上げていくのですが、やはり単純なファクターだと、なかなか過小評価を見出すことができません。
単純なファクターは、他の馬券購入者にもよく観察できるからです。
この観点から、
- 観察しにくい
つまり、
- 計算がややこしいファクター
というのは、競走馬の実力が馬券に反映されにくく、有益なファクターとなりやすい側面があります。
その計算がややこしいファクターとして「前走ペースチェンジ指数偏差値」を取り上げます。
私は初心者の頃に、10社ほど無料予想を出している予想サイトに登録して、買い目の組み方を研究していました。
(データ競馬では、予想だけでなく買い方もルール化しないと結果が安定しません)
その中でダントツに結果を出していたのがターフビジョンです。
ターフビジョンでは毎週土日2レース分の3連複予想が無料で閲覧出来ます。
無料とはいえ、人気サイドに偏った3連複などでは決してなく、他社と比べても、本気で予想を出している印象があります。
例えば、下記のレースを見てください。
1頭目は1番人気の⑦キングズソードを抑え、4人気の⑪ナムアミダブツを2頭目に、9人気の②ナムラゴロフキンを3頭目に据え、的中(82.0倍的中)。
■ 2022/12/17(土)阪神9R 赤穂特別
ターフビジョンはこのように3連複フォーメーションの2頭目・3頭目の絞り方が上手です。
このまま参考にしても良いですし、私はターフビジョンで3頭目に選択されている穴馬に注目した買い方をしています。
無料情報というと人気上位を適当に並べただけというものも多い中、的中確率が悪くなる覚悟でこうした人気薄馬を組み入れる予想を出すところは参考にできますよ。
メールアドレスの登録だけでは、費用は一切かかりませんので参考にしてみてください。
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ペースチェンジ指数とは
ペースチェンジ指数は、競走馬のレース中のペースの変化を指数化したもので、ターゲットの中で扱われているのでご存じの方も多いでしょう。
PCI(pace change index)と呼ばれているものですね。
上がり3ハロンとそれ以外の部分のタイムを比べ、
- 50だと前後のタイムが同じ
- 50以上だと後半のペースが上昇
- 50以下だと後半のペースが失速
ということを表します。
追込の度合いを表す脚質指数のような感覚です。
あまり深入りする必要もないですが、知りたい方のために計算方法を記載しますと、
(上がり3ハロンを除いた3ハロンあたりのタイム/上がり3ハロンのタイム)×100-50
となります。
例えば、1800mのタイムが118秒、上り3ハロンが38秒でしたら、
上がり3ハロンを除いた3ハロンあたりのタイムは、
(118-38)×600/(1800-600)=40秒ですから、
ペースチェンジ指数は、(40/38)*100-50=55.3となります。
こうして計算過程をみていくと、わざわざ50を引く必要性もないのですが、ターゲットとあえて定義を変えても混乱するので、このサイトでもターゲット同様の指数とします(最終的には偏差値化するので関係なくなりますが)。
ペースチェンジ指数の使い方
ここからが、データ競馬ならではの方法になってきます。
このペース指数は、競走馬の能力を表す指数として使えそうなので、前走ペースチェンジ指数を今走に活かそうと考えます。
ところが、そのまま前走ペースチェンジ指数をつかうと、次の2つの問題が出てきます。
第一に、
ゴール直線に坂があったりなど、コースごとに平均的なペースチェンジ指数は変わってきます。
前走ペースチェンジ指数を使うということは、コースがバラバラなので一律に評価することがフェアではありません。
第二に、
例えば、ペースチェンジ指数が良好な競走馬ばかりが出走した場合、どう評価するのか?という問題です。
これは馬体重やスピード指数でも同じ考え方をしますが、本来は特定のレースの中の競走馬間の相対的な力関係が重要なはずです。
これを描写するために少し工夫が必要となります。
データ競馬での解決策は次の通りです。
1つ目の問題に対しては、すべてのデータをコース(全104コース)ごとに分割して、ペースチェンジ指数を標準化します。
2つ目の問題に対しては、標準化されたペースチェンジ指数を前走ペースチェンジ指数として扱い、今走のレースの中で偏差値化します。
一見複雑で、実際に複雑ではありますが、いったんコードを書いてしまえば、毎回何か作業的なことをやる必要はありません。
しかし、計算量は莫大なので、データ競馬でしか実現できない方法です。
それでは、この指標が実際に有効なのかどうかを詳細に見ていきましょう。
※ちなみに、前走ペースチェンジ指数偏差値というファクターが有益だ、となっても、その指数を見れる手段が今のところありません。当サイトでは将来的に、出走表に紐付けてこのあたりのデータ提供ができればと考えております。
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前走ペースチェンジ指数偏差値別の成績・回収率データ
はじめに、芝・ダート別に前走ペースチェンジ指数偏差値の成績・回収率を一覧にしましたので、ご覧ください。
※表は着別度数の表示・非表示で切り替えができます。
芝|前走ペースチェンジ指数偏差値別の成績・回収率(2014-2018) ※障害戦除く
着別度数を[非表示 ]1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 出走 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 | main_turf | |
65以上 | 752 | 647 | 642 | 5,788 | 7,829 | 9.6 | 17.9 | 26.1 | 83 | 83 | main_turf |
60以上 | 1,043 | 959 | 943 | 9,467 | 12,412 | 8.4 | 16.1 | 23.7 | 77 | 79 | main_turf |
55以上 | 1,672 | 1,732 | 1,675 | 15,918 | 20,997 | 8.0 | 16.2 | 24.2 | 78 | 82 | main_turf |
50以上 | 2,024 | 2,031 | 1,980 | 21,106 | 27,141 | 7.5 | 14.9 | 22.2 | 79 | 80 | main_turf |
45以上 | 1,805 | 1,835 | 1,889 | 20,373 | 25,902 | 7.0 | 14.1 | 21.3 | 78 | 81 | main_turf |
40以上 | 1,138 | 1,150 | 1,189 | 14,890 | 18,367 | 6.2 | 12.5 | 18.9 | 79 | 81 | main_turf |
35以上 | 554 | 587 | 615 | 8,677 | 10,433 | 5.3 | 10.9 | 16.8 | 80 | 81 | main_turf |
35未満 | 377 | 443 | 450 | 7,814 | 9,084 | 4.2 | 9.0 | 14.0 | 84 | 86 | main_turf |
ダート|前走ペースチェンジ指数偏差値別の成績・回収率(2014-2018) ※障害戦除く
着別度数を[非表示 ]1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 出走 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 | main_dirt | |
65以上 | 735 | 669 | 642 | 6,098 | 8,144 | 9.0 | 17.2 | 25.1 | 89 | 87 | main_dirt |
60以上 | 1,103 | 1,049 | 1,061 | 10,213 | 13,426 | 8.2 | 16.0 | 23.9 | 81 | 84 | main_dirt |
55以上 | 1,845 | 1,819 | 1,776 | 17,957 | 23,397 | 7.9 | 15.7 | 23.3 | 79 | 82 | main_dirt |
50以上 | 2,193 | 2,205 | 2,278 | 23,286 | 29,962 | 7.3 | 14.7 | 22.3 | 76 | 81 | main_dirt |
45以上 | 1,826 | 1,979 | 1,933 | 22,403 | 28,141 | 6.5 | 13.5 | 20.4 | 73 | 79 | main_dirt |
40以上 | 1,293 | 1,264 | 1,309 | 16,589 | 20,455 | 6.3 | 12.5 | 18.9 | 81 | 81 | main_dirt |
35以上 | 659 | 685 | 614 | 9,789 | 11,747 | 5.6 | 11.4 | 16.7 | 86 | 83 | main_dirt |
35未満 | 403 | 421 | 450 | 8,804 | 10,078 | 4.0 | 8.2 | 12.6 | 84 | 80 | main_dirt |
けっこういい感じではないでしょうか。
まず、好走率が完全にこの指数と相関しています。
前走での追込の度合いが弱いと、今走でも凡走しやすいということですね。
より重要なのは回収率ですが、トップ層の回収率は良好で、好走ぶりが馬券には反映されていないのが分かります。
特にダートはいいですね。スピード指数よりも良いくらいです。
前走ペースチェンジ指数偏差値別の勝率グラフ
グラフにしてみました。
初めてこの指標を作ったとき、こんなにきれいに相関するとは思っていなかったです。
前走ペースチェンジ指数偏差値別の回収率グラフ
続いて回収率のグラフです。
単勝回収率は凹型のグラフで、勝率が高いところと低いところが、回収率が良い傾向になっています。
回収率が低いところに関しては、
- 思ったよりも好走している
と言えそうですが、勝率自体が低いのでファクター化する必然性はないでしょう。
偏差値65以上が高回収率ファクターです。
芝よりもダートの方がより良好ですね。
念のため、複勝回収率も見ておきます。
単勝とおおむね同様です。
偏差値65以上は、芝・ダートともに高回収率で、ダートの方が良い傾向も同じです。
過小評価ファクターとしての安定性
最後に、偏差値65以上にフォーカスして年ごとの安定性を確認します。
芝|前走ペースチェンジ指数偏差値65以上の成績・回収率(2014-2018) ※障害戦除く
着別度数を[非表示 ]1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 出走 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 | year_turf | |
2018 | 135 | 91 | 92 | 796 | 1,114 | 12.1 | 20.3 | 28.5 | 89 | 84 | year_turf |
2017 | 132 | 101 | 116 | 805 | 1,154 | 11.4 | 20.2 | 30.2 | 89 | 86 | year_turf |
2016 | 92 | 84 | 95 | 881 | 1,152 | 8.0 | 15.3 | 23.5 | 69 | 76 | year_turf |
2015 | 111 | 109 | 94 | 962 | 1,276 | 8.7 | 17.2 | 24.6 | 78 | 80 | year_turf |
2014 | 121 | 95 | 101 | 1,031 | 1,348 | 9.0 | 16.0 | 23.5 | 89 | 83 | year_turf |
芝は5年平均で見た場合は80%を超えていましたが、残念ながら年別に見ると超えていない年もあり、使いにくいファクターです。
ダート|前走ペースチェンジ指数偏差値65以上の成績・回収率(2014-2018) ※障害戦除く
着別度数を[非表示 ]1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 出走 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 | year_dirt | |
2018 | 93 | 94 | 77 | 764 | 1,028 | 9.0 | 18.2 | 25.7 | 89 | 91 | year_dirt |
2017 | 86 | 85 | 79 | 759 | 1,009 | 8.5 | 16.9 | 24.8 | 84 | 89 | year_dirt |
2016 | 103 | 89 | 85 | 879 | 1,156 | 8.9 | 16.6 | 24.0 | 91 | 84 | year_dirt |
2015 | 116 | 115 | 108 | 1,031 | 1,370 | 8.5 | 16.9 | 24.7 | 84 | 85 | year_dirt |
2014 | 142 | 137 | 134 | 1,180 | 1,593 | 8.9 | 17.5 | 25.9 | 85 | 89 | year_dirt |
一方のダートは盤石です。単勝回収率・複勝回収率とも84-91%あるというのはかなり優秀なファクターです。
まとめ
当サイトでは、下記のファクターを高回収率に貢献するファクターとしてとらえています。
- ダートコースの前走ペースチェンジ指数偏差値65以上
データベースに入れましたので、こちらも併せてご参照ください。
パンダズ競馬とは
パンダズ競馬では
- 過小評価条件
- 三連複フォーメーション
を回収率向上の具体的な手段としてとらえ、競馬ファンの方にさまざまなデータを紹介しています。
この2つを実践するだけで「予想能力がそのままでも回収率が上昇する」というのがパンダズ競馬の一貫した主張です。
この2つの手段について、参考記事をまとめて紹介いたしますので、よかったら合わせてご覧ください。
過小評価条件
まずは過小評価条件を検討し、過小評価馬を見出すのが第一歩です。
パンダズ競馬では、さまざまなデータベースで過小評価条件を紹介しています。
調教師や馬主のデータベースもありますが、重要なのは次の3点セットでしょう。
すべて同じフォーマットにデータを落とし込んでいるので、見やすいと思います。毎週データ更新していますので、参考にしてみてください。
もう一つ、ご自身で条件抽出できる方法も提供しています。こちらのほうがオリジナルの条件を何でも作れますので、そういうのがお好きな方は是非一度試してみてください。
三連複フォーメーション
過小評価に注目する場合は、券種の選定が重要であることも繰り返し述べています。
なぜ、過小評価条件と三連複がセットなのかについて解説した記事です。
こちらは、三連複フォーメーションの具体的な買い方を説明した記事です。
パンダズ競馬で三連複を推奨する理由が、期待回収率という考え方を通してご理解いただけると思います。
過小評価条件に注目する以上、三連複での購入はぜひチャレンジしてほしいですが、三連複に慣れていない方は、まずは予想サイトの無料予想を参考にするのをお勧めします。
三連複で実績があり、私が参考にしているのは次の2サイトです。ターフビジョンは三連複フォーメーションなので、当サイトでお勧めする方法に一番近いものです。人気薄の組み入れ方に注目してみてください。
いまの皆さんの予想方法はそのままでよいのです。そこに過小評価条件や券種というフィルターを新たに加えてみてください。
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