斤量を馬体重で割った斤量比という考え方は、データ分析で良く扱われます。
良く使われるというのは、メリットがあるからです!
馬体重そのもので分析する場合に比べて、勝率や回収率がどのように変化するのか、どのようにメリットがあるのか、見ていきたいと思います。
私は初心者の頃に、10社ほど無料予想を出している予想サイトに登録して、買い目の組み方を研究していました。
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■ 2019/6/2(日)阪神7R 3歳未勝利
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分析の方法
馬体重は当日発表の今走馬体重を使用します。
分析対象は、
斤量比=斤量/今走馬体重
ですが、これを今走馬体重と比較したいわけです。
斤量比の分布は0.100~0.140(10%~14%)程度で、馬体重の分布はだいたい400kg~560kgくらいです。この2つを比べるために、平均的な斤量である55kgを使って、
斤量比(55kg固定)=55kg/今走馬体重
という指標を考えます。
55kgに固定された斤量比は同じように分布が0.100~0.140程度になりますが、数値を変換をしているだけで実質的には今走馬体重そのもを表す指標です。
この2つを比較することで、馬体重から斤量比への変換だけに焦点を当て、その効果を検証することができる、と考えます。
芝レース
まず、芝レースのデータです。
左側が斤量比、右側が55kgに固定した斤量比ですが、右側は今走馬体重そのものと同等のものとしてお考えください。
斤量/今走馬体重 | 芝:斤量のまま | 芝:斤量=55kgに固定 | ||||
勝率 | 単回 | 出走件数 | 勝率 | 単回 | 出走件数 | |
~0.1075 | 7.7 | 83 | 6,070 | 8.6 | 84 | 6,118 |
0.1075~0.1100 | 7.9 | 81 | 5,852 | 8.7 | 81 | 5,294 |
0.1100~0.1125 | 8.2 | 85 | 9,089 | 8.0 | 78 | 10,206 |
0.1125~0.1150 | 7.9 | 82 | 12,957 | 7.9 | 81 | 11,764 |
0.1150~0.1175 | 7.9 | 81 | 14,455 | 8.0 | 84 | 13,966 |
0.1175~0.1200 | 7.3 | 80 | 14,410 | 7.3 | 81 | 14,080 |
0.1200~0.1225 | 6.3 | 75 | 13,770 | 6.6 | 78 | 12,982 |
0.1225~0.1250 | 6.3 | 77 | 9,374 | 5.8 | 73 | 8,902 |
0.1250~0.1300 | 5.5 | 74 | 13,436 | 5.5 | 76 | 13,501 |
0.1300~ | 4.5 | 72 | 5,032 | 4.0 | 72 | 7,632 |
すると、斤量比に置き換えるメリットが見えてきますよ。
上位は斤量比の方が少し勝率は落ちてしまいますが、斤量比と回収率の関係が馬体重そのものを使うよりも直線的になっていることが分かります。
ちょっと表だけではわかりにくいので、相関係数という考え方を使って説明してみますね。
相関係数は、-1から+1のあいだの値を取ります。
- 0だと2つの変数のあいだに関係性はない
- 1に近づくと、一方が増えればもう一方も増える
- -1に近づくと、一方が増えればもう一方は減る
という性質があります。
この相関係数を計算すると、次のようになります。
斤量比 | 斤量=55kgに固定 | |
斤量比と回収率の相関係数 | -0.903 | -0.789 |
勝率と回収率の相関係数 | 0.959 | 0.882 |
いずれも斤量比にすることで、絶対値が0.9を超え、直線的な関係で描写できることが分かります。
つまり、回収率を向上させるファクターとして連続変数の斤量比がそのまま有効だということです。
また、勝率と回収率も直線的であることも見逃せません。回収率を追い求める行動が、的中率も向上させてくれるのです。
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ダートレース
ダートレースはどうでしょうか。
斤量/今走馬体重 | ダート:斤量のまま | ダート:斤量=55kgに固定 | ||||
勝率 | 単回 | 出走件数 | 勝率 | 単回 | 出走件数 | |
~0.1075 | 8.5 | 81 | 11,560 | 9.6 | 84 | 13,641 |
0.1075~0.1100 | 8.8 | 86 | 9,945 | 8.7 | 80 | 8,902 |
0.1100~0.1125 | 7.9 | 79 | 13,295 | 7.7 | 78 | 14,537 |
0.1125~0.1150 | 7.4 | 79 | 16,392 | 7.6 | 80 | 14,602 |
0.1150~0.1175 | 7.0 | 79 | 16,109 | 7.0 | 79 | 15,398 |
0.1175~0.1200 | 6.5 | 79 | 14,494 | 6.2 | 77 | 13,977 |
0.1200~0.1225 | 6.2 | 79 | 12,771 | 5.9 | 79 | 11,729 |
0.1225~0.1250 | 5.2 | 76 | 7,288 | 5.5 | 82 | 7,329 |
0.1250~0.1300 | 4.5 | 74 | 8,599 | 4.2 | 75 | 9,101 |
0.1300~ | 2.3 | 57 | 2,499 | 2.1 | 59 | 3,736 |
残念ながら、一番上の斤量比10.75%未満の領域では斤量比の方が回収率が下がっているのですが、他のところを見ますと、回収率に対して、馬体重の場合は割とガタガタしているのに対して、斤量比は、斤量比と回収率の関係がはっきりしています。
こちらも相関係数を見ておきましょう。
斤量比 | 斤量=55kgに固定 | |
斤量比と回収率の相関係数 | -0.755 | -0.651 |
勝率と回収率の相関係数 | 0.911 | 0.818 |
斤量比と回収率の関係は芝のように絶対値で0.9を超えておりませんが、馬体重そのものよりも高くなっています。勝率と回収率の関係も良いですね。
馬体重から斤量比にすることで、一般の馬券購入者がほとんど考慮しない変数を扱うことになるので、おそらく勝率の差がオッズに反映されにくくなってくるのだと思います。
したがって、馬体重から斤量比に指標を発展させる意味は、回収率を向上かつ安定させることにある、と言えるでしょう。
余談ですが、斤量比の背景には、減量騎手・牝馬・勝利数・収得賞金というファクターもありますので、一般論としては同時利用する場合は注意が必要なのですが、相関はほぼありませんでしたので、あまりに気にする必要はないでしょう。
パンダズ競馬とは
パンダズ競馬では
- 過小評価条件
- 三連複フォーメーション
を回収率向上の具体的な手段としてとらえ、競馬ファンの方にさまざまなデータを紹介しています。
この2つを実践するだけで「予想能力がそのままでも回収率が上昇する」というのがパンダズ競馬の一貫した主張です。
この2つの手段について、参考記事をまとめて紹介いたしますので、よかったら合わせてご覧ください。
過小評価条件
まずは過小評価条件を検討し、過小評価馬を見出すのが第一歩です。
パンダズ競馬では、さまざまなデータベースで過小評価条件を紹介しています。
調教師や馬主のデータベースもありますが、重要なのは次の3点セットでしょう。
すべて同じフォーマットにデータを落とし込んでいるので、見やすいと思います。毎週データ更新していますので、参考にしてみてください。
もう一つ、ご自身で条件抽出できる方法も提供しています。こちらのほうがオリジナルの条件を何でも作れますので、そういうのがお好きな方は是非一度試してみてください。
三連複フォーメーション
過小評価に注目する場合は、券種の選定が重要であることも繰り返し述べています。
なぜ、過小評価条件と三連複がセットなのかについて解説した記事です。
こちらは、三連複フォーメーションの具体的な買い方を説明した記事です。
パンダズ競馬で三連複を推奨する理由が、期待回収率という考え方を通してご理解いただけると思います。
過小評価条件に注目する以上、三連複での購入はぜひチャレンジしてほしいですが、三連複に慣れていない方は、まずは予想サイトの無料予想を参考にするのをお勧めします。
三連複で実績があり、私が参考にしているのは次の2サイトです。ターフビジョンは三連複フォーメーションなので、当サイトでお勧めする方法に一番近いものです。人気薄の組み入れ方に注目してみてください。
いまの皆さんの予想方法はそのままでよいのです。そこに過小評価条件や券種というフィルターを新たに加えてみてください。
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