斤量を馬体重で割った斤量比を計算して、購入ルールを決める指数の1つのファクターとしているのですが、この斤量自体がどういう風に決まっているのかを、自分のメモのつもりで、まとめてみました。
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■ 6/2(日)阪神7R 3歳未勝利
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斤量を決定する要素
レース区分によるもの
まず、斤量によるレース分類があります。レース数の多い順に次のようになります。
- 馬齢戦
- 定量戦
- ハンデ戦
- 別定戦
レースのクラス分けと密接な関係があり、2013年~2017年の5年間で、クラス(横軸)と斤量によるレース区分(縦軸)をまとめると次のようになりました。ただし、障害戦を除きます。
馬齢戦 | 定量戦 | ハンデ戦 | 別定戦 | 合計 | |
重賞・OP | 163 | 101 | 291 | 644 | 1,199 |
1600万下 | 0 | 558 | 330 | 0 | 888 |
1000万下 | 0 | 1,734 | 389 | 1 | 2,124 |
500万下 | 881 | 4,415 | 0 | 0 | 5,296 |
未勝利 | 5,696 | 0 | 0 | 0 | 5,696 |
新馬 | 1,426 | 0 | 0 | 0 | 1,426 |
合計 | 8,166 | 6,808 | 1,010 | 645 | 16,629 |
馬齢戦は、ほとんどが未勝利戦と新馬戦ですね。
逆に、定量戦・ハンデ戦・別定戦には、未勝利戦と新馬がありません。別定戦は2013年の復刻ダービースタリオンズステークス以外は全て重賞・オープン戦となっています。
馬齢戦と定量戦
馬齢戦と定量戦の違いが少しややこしいのですが、馬齢戦は、2歳・3歳のときに同一年齢の馬だけのレースのみに使用する、ということなので、それ以外のレースで馬齢・性別に応じた斤量を課す場合には「定量戦」という言い方になります。
厳密な定義は別にして、定量と言う意味では、馬齢戦と定量戦は同じようなカテゴリーであり、馬齢戦の上位年齢置換版が定量戦、という理解で特に間違いではないでしょう。ですから、重賞・オープンに馬齢戦はありますが、2歳戦・3歳戦がない1600万下と1000万下には馬齢戦がありません。
ハンデ戦
ハンデ戦の斤量は、都度JRAが決めます。出馬表をみると0.5kg単位の斤量になっている場合があります。
JRAの説明では次のようになってます。
出走予定馬の実績や最近の状態などを考慮し、各出走馬に勝つチャンスを与えるよう決められた重量を負担させるレースです。JRAのハンデキャップ作成委員が、各々の負担重量を決定します。
別定戦
別定戦は、収得賞金や勝利数に応じて負担重量を増やすものですが、重賞・オープンに限られます。重賞・オープンならではの区分なのですが、G1レースでは逆に全て定量戦となります。
減量騎手によるもの
レース区分以外に、①牝馬の減量、②騎手による減量があります。①はレース区分の中にも反映されていますので、ここでは減量騎手を見ます。
次の表のようになります。
印 | 条件 | 減量特典 |
☆ | 勝利数51回以上100回以下 | 1kg減量 |
△ | 勝利数31回以上50回以下 | 2kg減量 |
▲ | 勝利数30回以下 | 3kg減量 |
騎手免許の通算取得期間が5年を超えると、適用されません。また、勝利数は地方競馬の交流競走なども含まれます。
具体的な事例を見てみる
2018年9月9日のレースから分かりやすそうなものをピックアップしました。
斤量の基準は、JRAのサイトに詳しくあります。
馬齢戦
馬齢戦では、2歳 or 3歳、1月~9月 or 10月~12月で基準の斤量が決まります。この例では3歳で9月ですから、全て56kgとなります。
牝馬の減量も、2歳 or 3歳、1月~9月 or 10月~12月で区分されます。減量幅は±0kg~-2kgです。3歳の9月は-2kgとなります。
騎手による減量は先ほどの通りです。
定量戦
定量戦は、5歳以上57kgを、まず基準とします。騎手は先ほどと同じです。牝馬は定量戦では一律-2kgとなります。牝馬戦なので全て-2kgですね。
さて、年齢による減量のところが少々複雑ですが、①年齢・②距離・③月・④オープンか否かの4つの状況で、減量幅が決まります。
4歳の9月はもう減量にはなりませんが、3歳の9月は、1200m500万下の条件では-2kgとなります。
別定戦
別定戦は重賞・オープン戦で、騎手による減量はありません。牝馬の減量は-2kgです。
基準斤量は、セントウルステークスの場合、4歳以上が56kg・3歳が54kgです。
別定戦では、収得賞金か勝利数に応じて負荷が増えるのですが、セントウルステークスは勝利数のタイプで、ファインニードルが直近1年のG1勝利で2kg増となりました。
他の出走馬は勝利数による斤量の増加はなく、ファインニードルだけ重い斤量を背負うことになりましたが、それは実績の裏返しでもあります。
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斤量別の成績・回収率
こうして概観してみると、斤量自体を分析してもあまり有益ではないのかな、という気がしてきます。
なぜなら、マイナス側は結局、騎手・牝馬による減量で説明がつくので、これらを斤量とは別に分析の切り口として使うと、要素を二重計上しているような側面があるからです。
斤量の裏側には、減量騎手・牝馬というファクターがあるということです。
プラス側も同じです。賞金や勝利数もファクターですから、斤量の増加と相関が強くなってくるでしょう。
そうなると、これらで説明できないハンデ戦が唯一、斤量をファクターとして有意義に使える対象になるのでしょうか。
ハンデ戦についてはこちら
-
【競馬における斤量の影響】なぜハンデ戦だけは斤量比が大きいと勝率が高くなるのか?
続きを見る
最後に、斤量ごとの成績・回収率を概観しておきます。小数点は四捨五入しました。
芝|斤量別の成績・回収率(2013-2017) ※障害戦・新馬戦除く
着別度数を[非表示 ]1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 出走 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 | |
47 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0 | 0 |
48 | 0 | 0 | 0 | 32 | 32 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0 | 0 |
49 | 9 | 10 | 9 | 165 | 193 | 4.7 | 9.8 | 14.5 | 65 | 65 |
50 | 12 | 14 | 17 | 291 | 334 | 3.6 | 7.8 | 12.9 | 92 | 95 |
51 | 127 | 137 | 143 | 3,713 | 4,120 | 3.1 | 6.4 | 9.9 | 78 | 72 |
52 | 313 | 306 | 344 | 4,537 | 5,500 | 5.7 | 11.3 | 17.5 | 86 | 84 |
53 | 341 | 314 | 319 | 5,203 | 6,177 | 5.5 | 10.6 | 15.8 | 87 | 80 |
54 | 2,754 | 2,784 | 2,808 | 31,495 | 39,841 | 6.9 | 13.9 | 20.9 | 79 | 81 |
55 | 1,735 | 1,678 | 1,658 | 17,862 | 22,933 | 7.6 | 14.9 | 22.1 | 81 | 82 |
56 | 1,642 | 1,653 | 1,599 | 16,015 | 20,909 | 7.9 | 15.8 | 23.4 | 77 | 82 |
57 | 1,329 | 1,366 | 1,386 | 14,333 | 18,414 | 7.2 | 14.6 | 22.2 | 77 | 80 |
58 | 85 | 81 | 68 | 646 | 880 | 9.7 | 18.9 | 26.6 | 88 | 90 |
59 | 1 | 1 | 1 | 15 | 18 | 5.6 | 11.1 | 16.7 | 62 | 65 |
ダート|斤量別の成績・回収率(2013-2017) ※障害戦・新馬戦除く
着別度数を[非表示 ]1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 出走 | 勝率 | 連対 | 複勝 | 単回 | 複回 | |
48 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0 | 0 |
49 | 16 | 14 | 13 | 175 | 218 | 7.3 | 13.8 | 19.7 | 92 | 86 |
50 | 12 | 16 | 21 | 258 | 307 | 3.9 | 9.1 | 15.0 | 61 | 74 |
51 | 154 | 155 | 185 | 3,484 | 3,978 | 3.9 | 7.8 | 12.4 | 80 | 78 |
52 | 249 | 281 | 272 | 4,297 | 5,099 | 4.9 | 10.4 | 15.7 | 80 | 81 |
53 | 353 | 365 | 385 | 5,624 | 6,727 | 5.2 | 10.7 | 16.4 | 84 | 82 |
54 | 1,842 | 1,920 | 1,931 | 24,879 | 30,572 | 6.0 | 12.3 | 18.6 | 75 | 79 |
55 | 1,530 | 1,479 | 1,474 | 16,427 | 20,910 | 7.3 | 14.4 | 21.4 | 82 | 82 |
56 | 2,346 | 2,253 | 2,176 | 21,904 | 28,679 | 8.2 | 16.0 | 23.6 | 81 | 84 |
57 | 1,775 | 1,777 | 1,808 | 18,693 | 24,053 | 7.4 | 14.8 | 22.3 | 79 | 82 |
58 | 22 | 34 | 32 | 206 | 294 | 7.5 | 19.0 | 29.9 | 57 | 82 |
59 | 2 | 2 | 2 | 31 | 37 | 5.4 | 10.8 | 16.2 | 65 | 80 |
60 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0 | 0 |
斤量は54kg~57kgに集中しています。
軽い斤量は見習騎手・牝馬が多く、重い斤量は実績のある馬が多いわけですから、勝率にそれが表れています。
ですが回収率はまちまちで、斤量自体をそのまま使いこなすのは難しそうです。
ここまで、斤量に関して少し否定的な書き方をしていますが、斤量の使い方の1つとして斤量比と言うものがあり、データ競馬では有用なファクターとして捉えられています。
斤量比は、
斤量比=斤量/馬体重
で表される指標で、500kgの馬が55kgの斤量を担いでいると、斤量比は11%となります。
この数値が低いほど出走馬の負担が軽くなり、馬のパフォーマンスが増加しそうであることは、何となく直感的に分かると思います。
長くなったので別記事にしますが、この指標が秀逸なのは、斤量は勝率と正の相関関係にあったのに対して、斤量比だと負の相関関係に置き換わることです。
もちろんそれは馬体重という媒介があるからなのですが、減量騎手・牝馬・収得賞金・勝利数のような斤量の裏側にあるファクターの影響をうまく打ち消して、新しい指標が作り出されているのです。
この斤量比という概念について、次回以降、詳しく見ていきたいと思います。
パンダズ競馬とは
パンダズ競馬では
- 過小評価条件
- 三連複フォーメーション
を回収率向上の具体的な手段としてとらえ、競馬ファンの方にさまざまなデータを紹介しています。
この2つを実践するだけで「予想能力がそのままでも回収率が上昇する」というのがパンダズ競馬の一貫した主張です。
この2つの手段について、参考記事をまとめて紹介いたしますので、よかったら合わせてご覧ください。
過小評価条件
まずは過小評価条件を検討し、過小評価馬を見出すのが第一歩です。
パンダズ競馬では、さまざまなデータベースで過小評価条件を紹介しています。
調教師や馬主のデータベースもありますが、重要なのは次の3点セットでしょう。
すべて同じフォーマットにデータを落とし込んでいるので、見やすいと思います。毎週データ更新していますので、参考にしてみてください。
もう一つ、ご自身で条件抽出できる方法も提供しています。こちらのほうがオリジナルの条件を何でも作れますので、そういうのがお好きな方は是非一度試してみてください。
三連複フォーメーション
過小評価に注目する場合は、券種の選定が重要であることも繰り返し述べています。
なぜ、過小評価条件と三連複がセットなのかについて解説した記事です。
こちらは、三連複フォーメーションの具体的な買い方を説明した記事です。
パンダズ競馬で三連複を推奨する理由が、期待回収率という考え方を通してご理解いただけると思います。
過小評価条件に注目する以上、三連複での購入はぜひチャレンジしてほしいですが、三連複に慣れていない方は、まずは予想サイトの無料予想を参考にするのをお勧めします。
三連複で実績があり、私が参考にしているのは次の2サイトです。ターフビジョンは三連複フォーメーションなので、当サイトでお勧めする方法に一番近いものです。人気薄の組み入れ方に注目してみてください。
いまの皆さんの予想方法はそのままでよいのです。そこに過小評価条件や券種というフィルターを新たに加えてみてください。
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